HPで成果をあげるための戦略~2~
L-planningの筒井です。
前回は、「HPで成果をあげるための戦略〜1〜」として、従来のやり方やせっかく作ったHPで成果が出ないのはなぜか、というお話をさせていただきました。
今回は、成果の上がるHPを制作するため、私たちが使用している「AB3C分析」についてお話していこうと思っています。
誰に何を伝えていけばいいのか明確にしていくAB3C
お客様の商品・サービスの「選ばれる理由」を探していくとき、私たちが採用しているのが「AB3C」という手法です。
「AB3C」とは、「3C分析の」
- Customer/お客様
- Company/自社
- Competitor/競合
に、
- Advantage/差別的優位点
- Benefit/顧客が求める価値
の3つのCが加わったものです。
差別的優位点(Advantage)は、他社と自社の違い・他者に比べて自社が優っている点のことです。
自社の優位点を知るためには、競合を知ることが大事。競合と自社をじっくりと分析し、客観的な差を書き出していきます。
お客様が求めている価値の範疇にあるものは、同業・異業種すべてがライバルです。
例えばビールを購入するお客様の、目的が「のどを潤すこと」であれば、飲料水や炭酸水、ジュースやお茶がライバルになりますが、「アルコールを摂取すること」が目的であれば、ワインやウィスキー、酎ハイや日本酒がライバルです。
さて、ここで、単純な「競合他社との差」が優位点になるかというと、そうではありません。前回もお話した通り、
「うちのサービスの特徴は・・・」
「うちの商品のいいところは・・・」
「他社との違いは・・・」
と、企業側が自社の商品やサービスの価値だと思っている部分が、消費者の求める価値と違っていることがあります。
ユーザーが求めていない優位点を発信し続けても、あまり効果はありません。
- 自社のユーザー(消費者)がどんな価値を求めているか?
- この特徴やサービスは、お客様にとって好ましいものか?
と、Benefitに基づいたものを可視化し、ユーザー(消費者)にしっかりと発信していく必要があります。
「誰に、何を伝えていくか」を明確にするためには、ユーザー分析が欠かせません。
仕入れ商品は「自社ならでは」という特色が出にくいため難しいのですが、例えば電気温水器やガス給湯器などの商品は価格や見た目にも差がなく、価格ドットコムなどで比較検討されやすいジャンルです。
だからといって「好みの色に塗ります!」「見た目をカスタマイズします!」というサービスを出しても意味がありません。
電気温水器の購入を検討しているユーザーにとって、重要なのは「見た目のよさ」ではないからです。
独自の保証やアフターフォローの手厚さ、24時間サポート体制等、ユーザーが安心感を得られる情報を発信するほうがよほど効果的なのはおわかりいただけると思います。
このように、「他社には真似できず、かつユーザーにとって好ましい特徴」が選ばれる理由として成り立っていきます。
こうして成り立った「選ばれる理由」を、効果的にデザインし、制作へとつなげていくことで、「成果の上がるHP」は作られていきます。
ときには新しい価値を生み出していくことも
ご相談いただく企業様の中には、既存の商品やサービスのままでは「選ばれる理由」が成立しない・あるいは若干インパクトが弱いケースももちろんあります。
そんなときはどうするかというと、「ないものはつくる」しかないのです。
顧客に新たな「価値」を提供したことで成功したお漬物屋さんの例があります。
※下記は私が勉強会に言っていたWebCAでよく取り上げられる事例の紹介(一部抜粋です)
「上澤梅太郎商店」という創業400年にもなる老舗のお漬物屋さんですが、バブル期をピークに売り上げが1/3まで下がり、会社の存続が危ぶまれていたそうです。
原因としては、漬物市場自体がここ数十年縮小し続けていること。
そしてメインターゲットだった日本人観光客が減った代わりに、漬物を食べる習慣がない外国人観光客が増え、結果的に漬物店の来店者は減少したことです。
上澤梅太郎商店さんは、ある戦略によって見事起死回生を成し遂げました。
それは、忙しく現代のひとびとの暮らしに、漬物を使った「朝食」という新たな価値を提案したのです。
漬物と一汁の和朝食は、手間がかかっているようでいて、実は手軽。
なのに、豊かさを感じる朝の食卓。これらは、店主の「こだわりの朝食」をもとに、「美味しいと思えるものを毎日食べる」というシンプルな朝食の光景です。
この「ゆったりとした、こだわりの朝食」というイメージが、憧れとともに現代人の胸にすっと溶けこんだのではないでしょうか。
このように、「新たな価値」を創造し、選ばれる理由をつくっていくことも時には必要です。
ただし、選ばれる理由を明らかにしていくことも、新しい価値を創造することも、簡単なことではありません。
ユーザーやキーワード、競合の調査や分析には膨大な時間と手間がかかってきます。
客観的な視点が必要にもなるため、この分析と調査をお客様自らが行うのは困難です。
今は中小企業だけではなく、大企業でさえ事業戦略を転換させている時代。
「うちの会社には、他社に勝てるようなものが何もない」と思わず、まずはご相談ください。