つくる人と食べる人をつなぐ第一次産業の最先端マーケティング
こんにちは、大分のホームページ制作会社 L-planningの小野です。
今月のおすすめの一冊をご紹介する前に、みなさん、こちらをご存知でしょうか?
東北食べる通信という、東北の農家や漁師を特集した情報誌にその生産者が育てた食べ物をセットにした「食べ物付き情報誌」です。
この情報誌のすごいところは、食べ物を紹介する紙媒体=情報をメインにして、その情報誌で特集した食べ物を「付録」にしていること。
そう、一般的な食材宅配サービスである送られてくる食材がメインでその説明のための紙がサブ的役割とは逆の発想なんです!
手元に届くまでの流れもよくできていて、
毎月、発行の2週間程前に会員の元に「◯号のお届け準備が出来ました」というメールが届きます。
会員は2~3週間の期間中にお届け希望日を指定します。
この時、追加料金を支払えば付録つまり食べ物の増量ができるのです。
しかも、届いた後、おかわりとして追加注文もできます!
東北食べる通信は現在購読者の上限に達しているため新規購読の申し込みは数ヶ月待ちとなっています。
そんな大人気の情報誌がどうやって生まれたのかを綴ったのが、今月おすすめする一冊のこちら
「だから、ぼくは農家をスターにする」 髙橋博之著
消費者に手元に届く食べ物はどんな人が作っていてどんな風につくられているのかを伝えるための情報誌のあり方の考え方と、それを入り口としてつくる人と食べる人とのコミュニケーションを生み出す戦略が紹介されています。
個人的に読んでいて心に残った・共感した考え方とおもしろいな!と思った戦略は、
・届ける食べ物は「なるべく自然の形のまま、まるごと届ける」
私たちがスーパーで買うものは調理されやすいように下処理や加工が施されています。
その過程を文章で説明するだけでなく、消費者自らにも体験してもらうことが目的だそうです。
・徹底した現場主義で代弁者を目指す
1人または1チームの生産者に対して多い時は4~5回取材を行うそうです。
これは雑誌の取材回数にしては多く、生産者の方から「また来るんですか?」と言われることもあるんだそうです。なんだかうちに似ている気が…笑
・「お見合い」の後、農家と「結婚」してほしい
消費者に食べて「おいしかった」で終わるのではなく、この人は!と思う農家、漁師がいたらより継続的な関係性を築いてもらいたい。
そのために消費者と生産者がより深いコミュケーションをとれる「CSA」のいうしくみを採用しています。
CSAとはコントロール・セルフ・アセスメントの略で、直訳すると「コミュニティに支えられる農業」。
生産者がそれぞれ会員ネットワークを持つ生産物流通のしくみです。
会員は、惚れ込んだ生産者のCSAに会員登録し、「マイ農家」「マイ漁師」を応援することで生産者と深い交流をすることができるのです。
単なる支援する・されるという関係ではなく、共有できる価値観を元に生産者と消費者がつながるコミュニティ、私個人もすごく興味をひかれる内容でした。
第一次産業に携わる方だけでなく、食品などを扱う方でもっとお客様に自社の商品を知ってもらいたいその為の情報発信をしていきたい!と考えている方におすすめの一冊です。