「こんなもの売れない」と思い込んでいませんか?月に1000本売れるビニール傘は1本8000円!
最近ネットニュースで月に1000本売れるビニール傘が話題になっています。
ビニール傘と言えば値段も500円程度とお手軽価格。
突然の雨に降られたときにはつい買ってしまいますよね。
100円ショップにも当たり前にあるもので、ビニール傘は「安い」「使い捨て」の傘の代名詞のようなイメージになっています。
「え?そりゃビニール傘なら全国で1000本なんてすごくもないでしょ?」と思ってしまいますが、話題のこのビニール傘はなんと1本8000円です。
作っているのはホワイトローズ株式会社の須藤社長。いま普及しているビニール傘を最初に制作した会社とのこと。
この会社のビニール傘は最低でも5400円、高いものは10000円を超えます。
先代がビニール傘を作ったものの中国産のコピー商品が安値で大量に入ってきたため細々とシャワーカーテンなどのビニール製品を作っていましたが、ある都議会議員からの「庶民的なイメージで、雨の時でも有権者に顔が見えやすく、軽くて丈夫な大きい傘が欲しい」という要望に応えた傘が全国の選挙の立候補者の間で評判を呼びます。
宮内庁からも「皇族のお顔が見えて壊れないものを」と注文が来たり、ついには英国のウィリアム王子も来日時に使用されるほど「高級なビニール傘ならホワイトローズ」というまでに。
現在も、風を通すため風速30mにも耐えたれ、骨は軽くて高強度なグラスファイバー、塩化ビニールではなく環境にやさしい樹脂へと改良を重ねています。
安くて使い捨てのものというイメージのビニール傘ですが、
・普通のビニール傘では壊れやすく、要人が濡れたりケガをしたりするかもしれない
・普通の高級傘では周りや人が見えない
というジレンマを、
透明という利点を残しつつ、壊れやすいという困り事を改善し「高くても丈夫なビニール傘」を作ることで大ヒットの商品となりました。
須藤社長がインタビューで「ニーズが合えば高くても売れることを学んだ」と言っていましたが、依頼が来るまではどんどん安くなっていくビニール傘に対して「高品質だけど高いもの」を作っても売れない、そんなもの作ろう考えることすらなかったと思うんですよね。
お客様や他業種の方と話していても「作れるけど、そんなもの欲しいの?」と言われたことが何度かあります。
長年やっているからこそ「安くて当たり前」「そんなもの作っても売れない」と思いこんでしまうようなことでも、お客様とのやりとりにこの「高価格ビニール傘」のようなヒントが隠されているかも知れませんね!