【2025年版】ホームページ制作会社の選び方完全ガイド|中小企業経営者が知るべき5つの分類と失敗しない選定方法―実践編―

実践編:失敗しない制作会社選定の完全ガイド

はじめに
これまでの記事で、制作会社の分類軸と課題別の最適タイプを解説してきました。
最終回となる本記事では、実際に制作会社を選定する際の具体的なプロセスと、失敗を避けるための重要な注意点をお伝えします。
制作会社選定の6ステップ
自社に最適な制作会社を見つけるためには、体系的なプロセスに沿って進めることが重要です。

事前準備・自社分析
制作会社を探し始める前に、まずは自社の状況を整理しましょう。
課題の明確化
- なぜホームページが必要なのか?
- 「売上を120%にしたい」「採用応募者を月20人増やしたい」など、具体的な課題と目標を定義
予算設定
- 初期制作費だけでなく、サーバー代や更新費用などの年間運用費も含めた総額で予算を考える
- 3年間の総コストで計算するのがおすすめ
期待効果の定義
- 設定した目標を測定するための指標(KPI)を決める
- 例:月間問い合わせ数、特定ページの閲覧数など
制作会社の情報収集
自社の要件が固まったら、幅広く情報を集めましょう。
情報収集の方法
- Web検索(例:「Web制作会社 大分」)
- 同業他社のサイトをチェック(フッターに制作会社名が記載されていることが多い)
- 知人からの紹介
- 業界団体やセミナーでの出会い
実績確認
- 各社のポートフォリオ(制作実績)を確認
- 自社の業界や作りたいサイトのイメージに近い実績があるかチェック
候補会社の絞り込み
情報収集した中から、5〜10社程度の候補リストを作成し、さらに3社程度に絞り込みます。
絞り込みの基準
- 予算感が合うか
- 技術的な要件に対応できるか
- 自社の業界に理解があるか
- タイプ(専門性、規模、料金体系など)が自社のニーズに合っているか
相見積もり・提案依頼
絞り込んだ3社に対して、同じ条件で見積もりと提案を依頼します。
RFP(提案依頼書)の作成
以下の項目を明記した要件定義書を用意すると、各社の提案を公平に比較しやすくなります。
- 自社の課題と目標
- ターゲットユーザー
- 必要な機能(問い合わせフォーム、ブログ機能など)
- 希望するデザインのイメージ
- 予算範囲
- 納期
- 制作後の運用体制
比較検討・評価
各社からの提案内容を、価格だけでなく総合的に評価します。
評価のポイント
| 提案内容 | チェック内容 |
|---|---|
| 提案内容 | 課題解決に繋がる具体的な提案があるか |
| 費用対効果 | 見積もり金額は提案内容に見合っているか |
| 実績・経験 | 類似プロジェクトの成功事例があるか |
| 技術力 | 必要な機能を実現できる技術力があるか |
| サポート体制 | 制作後の運用サポートは充実しているか |
| 担当者との相性 | コミュニケーションは円滑に進められそうか |
| 納期の現実性 | スケジュールは現実的か |
注意点
- 価格の安さだけで判断しない
- 「できます」という言葉だけでなく、具体的な実績や手法を確認
- 制作後のサポート内容を詳しく確認
最終決定・契約
総合的な評価が最も高かった1社に最終決定します。
契約前の確認事項チェックリスト
- 制作物の著作権は自社に譲渡されるか
- サーバーやドメインの所有権は自社にあるか
- 修正対応の範囲と費用は明確か
- 制作後の運用・保守の担当者と費用は明確か
- 納品物の内容は具体的に記載されているか
- 契約解除の条件は明確か
- (サブスクの場合)最低契約期間と解約条件を確認したか
失敗しないための3つの注意点
注意点1:価格の安さだけで選んでしまう
最も多い失敗が、「一番安い見積もりを出した会社に決めてしまった」というケースです。
安さの裏にあるリスク
- 制作物の品質が低い
- 修正に別途高額な費用がかかる
- 制作後のサポートが全くない
- テンプレートの使い回しで独自性がない
注意点2:制作後の運用・サポートを軽視する
ホームページは作って終わりではありません。
公開してからが本当のスタートです。
確認すべき運用・サポート内容
- コンテンツ更新は誰が、どこまで、いくらで行うのか
- サーバーの保守管理は含まれているか
- アクセス解析に基づく改善提案はあるか
- 緊急時の対応体制はどうなっているか
- セキュリティ対策は十分か
よくある失敗例
「更新は自社で」と言われたが、やり方が分からず放置
サーバートラブルが発生したが、対応してもらえない
アクセス解析の見方が分からず、改善できない
注意点3:契約内容の確認を怠る
専門用語が多く、つい読み飛ばしてしまいがちな契約書ですが、ここには重要な情報が詰まっています。
特に注意すべき契約条項
著作権の帰属
- 制作物の著作権が自社に譲渡されるか、制作会社に残るか
- 著作権が制作会社に残る場合、将来的なリニューアルが制限される可能性
サーバー・ドメインの所有権
- サーバーやドメインの契約名義が自社になっているか
- 制作会社名義の場合、将来的に移管できるか
修正対応の範囲
- 納品後の修正はどこまで無償で対応してもらえるか
- 有償対応になる場合の費用の目安
最低契約期間(サブスクの場合)
- 最低契約期間は何ヶ月か
- 途中解約する場合の違約金はあるか
- 解約後、サイトのデータは引き継げるか
リスク回避の最終チェックリスト
選定プロセスの最後に、以下の項目を再確認しましょう。
- 3社以上から相見積もりを取ったか
- 制作後の運用・保守の担当者と費用は明確か
- サーバーやドメインの所有権は自社にあるか
- 制作物の著作権は自社に譲渡されるか
- 修正対応の範囲と費用は明確か
- (サブスクの場合)契約期間と解約条件を確認したか
- 担当者とのコミュニケーションは円滑か
- 実績やポートフォリオを十分に確認したか
まとめ:自社の未来を託せるパートナーを見つけるために
本シリーズ全3回を通じて、ホームページ制作会社の選び方を体系的に解説してきました。
重要なポイントの振り返り
【基礎編】 制作会社は5つの軸で分類できる
- 強み・専門性、企業規模、料金体系、地域・対応範囲、業界特化
【診断編】 自社の課題に応じて最適なタイプは異なる
- 集客重視、採用強化、予算優先、システム連携、サポート重視
【実践編】 体系的なプロセスと注意点を押さえる
- 6ステップの選定プロセス
- 3つの失敗パターンと回避方法
最後に

ホームページを「単なる制作物」として捉えるのではなく、「事業を成長させるための投資」と
考えることが重要です。
そして、その投資効果を最大化してくれる、長期的な視点で伴走できる真のパートナーを見つけ出すことが、
ホームページ制作成功の最も重要な鍵となります。
次のステップ
まずは、本記事のStep1「事前準備・自社分析」を参考に、自社の課題とホームページに期待する役割を整理することから始めてみましょう。
もし制作会社選びで迷ったり、専門的なアドバイスが必要だと感じたりした際には、ぜひ株式会社L-planningにご相談ください。
貴社のビジネス課題に寄り添い、最適なプランをご提案します。
著者:筒井崇
制作:株式会社L-planning

シリーズ記事のご案内
- 第3回:【実践編】失敗しない制作会社選定の完全ガイド(本記事)