COLUMN
ホームページ制作のプロが教える
Web担当者向けHP制作のコツ
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AI活用ホームページ制作

AI時代のホームページ制作会社との付き合い方(2)|本当に価値ある制作会社の見極め方

複雑なサイトはやっぱりプロの出番

前回はノーコードツールの可能性についてお話ししましたが、「すべてのサイトがノーコードで作れるか?」というと、答えは「No」です。
企業規模が大きくなるほど、ウェブサイトに求められる要件はどんどん複雑になっていきます。

中大規模サイトの複雑な要件って?

大きな企業のサイトには、こんな要件が出てきます。

  • システム連携の複雑さ
    顧客管理システム(CRM)、マーケティングオートメーション(MA)、基幹システム(ERP)など、社内の様々なシステムと連携する必要があります。
    「お客さんがサイトで問い合わせをしたら、自動的に営業担当者に通知が行く」といった仕組みですね。
  • 一人ひとりに最適化された体験
    「この人は過去にこんな商品を見ているから、関連商品を表示しよう」「この地域のお客さんには、近くの店舗情報を優先的に見せよう」など、ユーザーごとに最適化されたコンテンツ表示が求められます。
  • グローバル対応の難しさ
    多言語対応はもちろん、国や地域ごとに異なる法規制、文化的な違い、通貨の違いなど、考慮すべき要素が山のようにあります。
  • セキュリティの厳格さ
    個人情報保護法やGDPRなど、厳しい規制への対応。
    「ちょっと漏れちゃいました」では済まない世界です。
  • 大容量コンテンツの管理
    数百から数千ページに及ぶコンテンツを、効率的に管理・更新する仕組みが必要です。

これらの要件を見ただけで、「うわぁ、ノーコードツールでは無理そう…」と感じませんか?

AIを使った高度な機能が競争力の源泉に

中大規模サイトでは、AIを活用した高度な機能が競争力の決め手になります。

  • ユーザーの行動を先読みする機能
    「このお客さんは次にこの商品を見るかも」「この情報を探している可能性が高い」といった予測を立て、先回りして最適なコンテンツを提案する機能です。
  • 自然な会話で情報を探せる検索
    「去年の春に発売された、価格が5万円以下のノートパソコンはありますか?」といった自然な質問に答えられる検索機能。
    まるで店員さんと話しているような体験を提供できます。
  • 動的に変わるコンテンツ
    時間帯、天気、ユーザーの属性などに応じて、自動的にコンテンツが変わる仕組み。
    同じページでも、見る人によって全く違う内容が表示されます。

これらの機能を実装するには、AIに関する深い専門知識と豊富な実装経験が欠かせません。

専門知識とノウハウ、これが決定的な差

中大規模サイトで最も重要なのは、実は技術的なスキルだけではありません。

数多くのプロジェクトを通じて培われる「経験値」こそが、プロジェクトの成否を分ける要因なんです。

経験から生まれる「勘所」の価値

教科書やオンライン講座では学べない「勘所」が、複雑なプロジェクトでは決定的に重要になります。

  • 「あ、これ危険だな」という嗅覚
    過去の失敗経験から、「この設計だと後で問題になる」「このタイミングでリリースするとトラブルになる」といった危険を事前に察知する能力です。
  • 最適な技術選定の目利き力
    「流行ってるから」「新しいから」ではなく、そのプロジェクトの特性に本当に適した技術を選ぶ判断力。
    これは何度も技術選定で痛い目に遭った経験がないと身につきません。
  • 効率的な問題解決の引き出し
    「あ、この問題なら、以前のプロジェクトでこんな解決策があった」という豊富な引き出しを持っていること。
    同じような問題に何度も取り組んだ経験があるからこそ、最短距離で解決できます。

業界ごとの成功パターンを知っている

各業界には独特の課題やお客さんの行動パターンがあります。
ネットショップ業界なら「お客さんがどのタイミングで購入を決めるか」、法人向けビジネスなら「意思決定者にどうアプローチするか」など、業界ごとに最適なアプローチが全く違います。

経験豊富な制作会社は、「この業界ではこのやり方が効果的」という知見をたくさん持っています。

これは、一朝一夕では身につかない貴重な財産です。

将来を見据えた設計ができる

ウェブサイトは「作って終わり」ではありません。
何年も運用し、機能を追加し、改善していくものです。
経験豊富な制作会社は、将来の拡張や保守のしやすさを考えた設計ができます。

  • 拡張しやすい基盤づくり
    「将来こんな機能が必要になるかも」を見越した基盤設計
  • 理解しやすいコード構造
    担当者が変わっても、すぐに理解・修正できる構造
  • 運用負荷を最小化する管理システム
    日々の運用で無駄な手間がかからない仕組みづくり

これらは、長期間サイトを運用してきた経験から生まれる発想です。

AIツールの「使いどころ」を知っている

経験豊富な制作会社は、AIツールの可能性と限界の両方をよく理解しています。
「AIで全部解決!」という過度な期待ではなく、「この部分はAIに任せて、この部分は人間がやる」という適材適所の判断ができます。

  • AIの得意・不得意を見極める
    どの業務をAIに任せ、どの業務を人間が担当すべきかの的確な判断
  • 最適なAIツールの選定
    目的に最適なAIツールを選び、複数のツールを効果的に組み合わせる技術
  • AIの出力を適切に評価・調整
    AIが生成した結果の品質を正しく評価し、必要な調整を加える能力

これらは、実際にAIツールを使い込んできた経験があってこそ身につくノウハウです。

実際の成功事例

ある中堅製造業では、従来の商品カタログサイトから、AIを活用した顧客別最適化サイトへリニューアルしました。
AI活用に強い制作会社と協業し、お客さんの業種や閲覧履歴に基づいて最適な製品情報を表示するシステムを構築。

さらに、問い合わせ内容をAIで自動分析し、営業担当者に最適な提案資料を自動生成するシステムも導入しました。
結果、サイト経由の問い合わせ数が2倍に増加し、受注率も30%向上。

「単なるサイトリニューアル」ではなく、「営業プロセスの変革」につながったと高く評価されています。

「作る」から「成果を出す」への発想転換

見栄えよりも結果が大事

AI時代のホームページ制作で最も重要なのは、発想の転換です。
「かっこいいサイトを作る」ことが目的ではなく、「ビジネスの成果を出す」ことが目的。

見栄えの良いサイトは、もはや目的ではなく手段に過ぎません。
AI活用に強い制作会社の本当の価値は、この「成果を出すための戦略構築」にあります。

単なる「作る人」ではなく、「ビジネスパートナー」としての価値を提供してくれるんです。

データを活用した戦略構築

AI時代の戦略構築には、データの活用が欠かせません。

  • ユーザー行動の詳細分析
    サイト内でのお客さんの動きを詳細に分析し、「ここで離脱している人が多い」「この情報をもっと分かりやすくすべき」といった改善点を具体的に特定します。
  • 競合との差別化ポイント発見
    AIを活用した競合サイトの分析から、自社の差別化ポイントを明確にします。
    「競合はここが弱いから、うちはここを強化しよう」という戦略が立てられます。
  • 明確な成果指標と継続改善
    「なんとなく良くなった気がする」ではなく、明確な数値目標を設定し、データに基づいた継続的な改善を行います。

AI活用による戦略的メリット

AI活用制作会社との協業で得られる戦略的メリットは計り知れません。

  • お客さんの次の行動を予測
    過去の行動パターンから、「この人は次にこのページを見る可能性が高い」「この商品に興味を示すかも」といった予測を立て、先回りした提案ができます。
  • 効率的なテストと最適化
    AIを活用したテストにより、「AパターンとBパターン、どちらが効果的か」を短期間で正確に判定できます。
  • 一人ひとりに最適化された体験
    訪問者一人ひとりに最適化されたコンテンツや導線を提供し、満足度とコンバージョン率を同時に向上させます。
  • 最適なコンテンツ戦略
    「どんなコンテンツが、どんな人に効果的か」をデータで分析し、最適なコンテンツ戦略を立案できます。

これらのアプローチは、単なる「サイト制作」では得られない価値を生み出します。

本物のAI活用制作会社を見極める5つのポイント

現在、多くの制作会社が「AI活用」を謳っていますが、その実力には大きな差があります。

本物を見極めるポイントをご紹介します。

表面的なAI活用と本質的なAI活用の違いを知る

表面的なAI活用の特徴

  • AIツールの名前をただ並べるだけ
  • 具体的な成果や改善事例が示せない
  • ツールを導入しただけで満足している
  • AIを「万能の魔法」のように扱っている

本質的なAI活用の特徴

  • AIの得意分野と限界をしっかり理解している
  • 具体的な成果指標と改善プロセスを明確に提示できる
  • AIと人間の最適な役割分担を設計できる
  • ビジネス課題解決のためにAIを「手段」として活用している

5つのチェックポイント

  • 具体的な実績とケーススタディ
    「以前、こんなプロジェクトで、AIを使ってこんな成果を出しました」という具体的な事例があるか。
    数値や改善プロセスまで詳しく説明できるかがポイントです。
  • AIツールへの深い理解
    単なるツール名の羅列ではなく、「このツールはこんな特性があるので、こういう用途に最適」「複数のツールをこう組み合わせると効果的」といった深い理解があるか。
  • データ分析・活用のスキル
    データの収集から分析、それに基づいた改善提案まで、一貫したデータ活用のプロセスを持っているか。
    また、プライバシーやセキュリティへの配慮も重要です。
  • 継続的な改善への姿勢
    「作って終わり」ではなく、公開後も継続的に分析し、改善提案をしてくれるか。
    「サイトは育てるもの」という発想があるかどうかです。
  • あなたのビジネスへの理解度
    業界特有の課題やお客さんのニーズを理解しているか。
    競合環境の分析や差別化戦略の提案ができるかが重要です。

まとめ:プロとの協業が競争力の源泉

第2回では、中大規模サイトでプロの制作会社が必要な理由と、本物のAI活用制作会社の見極め方をお話ししました。
ポイントをまとめると

  • 複雑な要件にはプロの経験が不可欠
    システム連携、セキュリティ、パーソナライゼーションなど、高度な要件に対応するには豊富な経験が必要
  • AI×人間の協業が新たな価値を生む
    AIの力と人間の専門性を組み合わせることで、これまでにない価値を創出
  • 「作る」から「成果を出す」への発想転換
    見栄えの良いサイトではなく、ビジネス成果を出すことが最優先
  • 本物のAI活用制作会社を見極める
    表面的なAI活用ではなく、本質的にAIを活用できる制作会社を選ぶことが重要

次回【第3回】では、そんな優秀な制作会社との戦略的パートナーシップをどう構築するか、具体的なステップと未来展望について詳しく解説します。
最終回もお楽しみに!

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